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パーキンソン病の正体とは何か

パーキンソン病の本当の正体は、まだわかっていません。しかし、症状・原因・治療方法・治療期間の問題点・病期などを探ることよって、少しでもその正体に近づけたらと考えています。

神経伝達物質ドーパミン

脳はニューロン(神経細胞)と、ニューロンが生き続けるためのグリアという細胞から成り立っています。ニューロンはお互いに神経突起を出し合い、信号のやり取りを行っています。

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そして、ニューロン同士の信号の接続部分を構成しているのがシナプスです。つまり、シナプスはニューロンが出す信号を受けることによって化学物質を放出し、次のニューロンへ信号を伝えます。その時、シナプスが放出する化学物質の1つにドーパミンが含まれているわけです。

放出されたドーパミンはニューロンの膜と結合することによって(ドーパミン受容体)、タンパク質に癒着します。そして、ニューロンの中で電位変化が生じ、細胞内に情報伝達が伝わります。これが神経伝達物質ドーパミンの正体なのです。

では、シナプスから放出されるドーパミンが減少するとどうなるのでしょうか。ドーパミンは人間の動作に深く関わりを持っています。ドーパミンは大脳基底核と、それに指令を与える大脳皮質でより多く放出されます。つまり、大脳基底核や大脳皮質で大量にドーパミンが放出されることで「動作の順番を習慣化」「動作の技能を磨く」「様々な動作の行動を練ることによって、違った動作を引き起こす」…つまり、人間が立ちあがって歩き・走るといった一連の行動をすべて担っている物質なのです。そして、ドーパミンの減少によって引き起こされているのがパーキンソン病です。ドーパミンが減少し続けることによって、人間の筋肉はどのように動かしていいのかわからなくなっていきます。「歩こうとしても、身体が震えて歩けない」…しかもドーパミンの減少は、動作の硬直だけに留まりません。「物覚えが悪くなったり、忘れっぽくなったり」「無気力・無感力・注意力散漫」…最後には人と交わることも面倒くさくなり、結局、一般社会から隔離されてしまいます(自分の意思とは関係なく)。

どうして、ドーパミンが減少することによって、パーキンソン病のような症状が発症するのでしょうか。それは、情報処理を行う神経回路の部分に異常をきたしているからです。不思議なことに、パーキンソン病ではドーパミンニューロンだけが死滅して、あとの神経細胞は正常であることが判明しています。人間のドーパミンニューロンは、10歳年を取るごとに約10%死滅することがわかっています。そして、約20%のドーパミンニューロンが死滅すれば、パーキンソン病の症状が発症するだろうと言われています。つまり、ある特定の人だけがパーキンソン病を発症するわけではないのです。誰でも年齢を重ねていけば、発症する可能性を含んでいるわけです。

私の父母は80歳になります。確かに昔と比べたら、耳も遠くなり物忘れも多くなっています。しかし、それはいずれ誰しもが経験することなのです。パーキンソン病と診断されなくても、確実に同じような症状は出てきます。そういう意味で、パーキンソン病は決して不幸な病気ではないのです。目指すところは、老後の人生も元気で活動的に送れるように、パーキンソン病の原因を一刻も早く追及することです。