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TOP > パーキンソン病の基礎知識 > パーキンソン病とウェアリング・オフ現象(運動合併症)

パーキンソン病の正体とは何か

初期のパーキンソン病の場合、薬物治療でさまざまな症状を抑制することができます。

しかしある程度、パーキンソン病が進行してしまうと、薬物治療の効果が出にくくなりさまざまな症状に弊害が発症します。

そしてその症状を改善しようとして、より多くの薬物治療をしてしまうと、逆に薬物が効き過ぎ自分の意思に反して、手足が勝手に動いてしまう症状(=ジスキネジア)を発症してしまいます。

こうした症状を、「ウェアリング・オフ現象(運動合併症)」といいます。
「1日を通じて薬物の効果がある(オン)/薬物の効果がない(オフ)減少」

ここでウェアリング・オフ現象について、より深く探ってみたいと思います。

○原因…

パーキンソン病の薬物治療は、脳内で減少し続けるドーパミンを補充するためのものです。
初期症状の場合、補充されたドーパミンはゆっくり使用されるため、効果も長続きします。
しかしパーキンソン病が進行した場合、補充したドーパミンの効果が短くなるため、その日の薬物治療をする前には手が震えるといった症状が発症してしまうのです。

○治療方法…

ウェアリング・オフ現象を改善するため、初期症状から使用していたL-ドーパミン/ドーパミンアゴニストに加えて、COMT阻害薬/MAO-B阻害薬/ゾニサミド/アデノシンA2A受容体拮抗薬を使用します。
・COMT阻害薬/MAO-B阻害薬…L-ドーパミンの効果を長続きさせます。
・アデノシンA2A受容体拮抗薬…ドーパミンとは異なる神経性に作用することによって、ウェアリング・オフ現象を改善させます。